アイスランドの人々は、800年以上前に書かれた物語を、今もほとんどそのまま読めると言われます。

その言葉、アイスランド語は、英語を話す人にとって、習得が難しい部類の言語でもあります。
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ヴァイキングの言葉

9世紀の後半、ノルウェーなどから人々が船で移り住み、古ノルド語という言葉を持ち込みました。
1100年ごろから文字で書き残されるようになり、12世紀には綴り方を論じた本も書かれました。
12世紀以降、王や英雄、家族の争いを描いた散文の物語、サガが数多く書かれます。
大陸から遠く離れた島だったため、アイスランド語は、ほかの北欧の言葉よりゆっくりと変わりました。
言葉を守った人々

1540年に新約聖書、1584年には聖書全体がアイスランド語に訳され、書き言葉が守られました。
一方、長いデンマーク支配の間に、とくに町や役所では、デンマーク語の単語が入り込みました。
18世紀、学者エッゲルト・オウラフソンは、外来語のせいで言葉が病んでいると訴えました。
1835年には、詩人ヨーナス・ハットルグリームソンらが雑誌を創刊し、新しい言葉も生み出しました。
サガが今も読めるのは、この時代に、古い言葉へ意識して戻したからだ、という見方もあります。
外来語を使わない

新しい物が入ってきても、外国語をそのまま使わず、古い言葉を組み合わせて名前をつけます。
たとえばコンピューターは「トルヴァ」。「数」と「女預言者」を合わせて、1965年に作られた言葉です。
電話は「シーミ」。もともと「糸」を意味する古い言葉を、よみがえらせて使っています。
今も国の研究機関が言葉づくりを支え、11月16日は「アイスランド語の日」とされています。
世界有数の難しさ

アメリカ国務省の研修機関は、英語話者の習得に約1100時間かかる言語に分類しています。
英語に近いフランス語は約750時間。アイスランド語はその約1.5倍で、日本語の約2200時間の半分ほどです。
名詞には4つの格と3つの性があり、「馬」という一語だけで、変化の表は16マスになります。
数字も、1から4までは、男性・女性・中性と格によって、形が変わります。
発音も独特で、「エルエル」は「トル」に近い音。火山エイヤフィヤトラヨークトルがその例です。
英語では使われなくなった古い文字、ソーンとエズも、今も普段の文字として使われています。
物語をつなぐ言葉
話す人は、およそ39万人。小さな言葉を、国をあげて守り続けています。
まとめ

遠い昔の物語を、今につなぐアイスランド語。あなたも一言、覚えてみませんか?
- 9世紀後半、入植者が古ノルド語を持ち込んだ
- 1540年に新約、1584年に聖書全体を翻訳
- 外国語を使わず、古い言葉を組み合わせて名付ける
- 英語話者の習得に、約1100時間
- 話す人は約39万人。国をあげて守り続ける
出典
- Reykjavík Grapevine(2019)
- 米国務省 外交官養成機関(FSI)
- Wikipedia「Icelandic language」
- Wikipedia「Linguistic purism in Icelandic」
- Wiktionary「tölva」
- アウルトニ・マグヌッソン研究所
- Wiktionary「hestur」
- Wikipedia「Icelandic grammar」
- Wikipedia「Eyjafjallajökull」
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